大使館関係者の声:井上俊彦技術派遣員

令和5年5月15日
館員との一枚
コートジボワールにおける2年間の勤務を終えて

 私は、在コートジボワール日本国大使館で技術派遣員として派遣されました。
このたびの新たな採用は、私にとって初心に帰る機会と捉えて、そして自らの選択でした。
今回、一緒に仕事をした同僚を紹介します。左の方が「ジェラール」さん。営繕業務を60歳で定年退職を迎えました。長い間本当にお疲れ様でした。右の方は、「バンバ」さん、臨時の作業に欠かせない存在でした。バンバさんは、これからの営繕業務を「ジェラール」さんから引継ぎしました。また、新たに「セバスチャン」さんが加わりました。この2年間、私は、彼らが大使館の営繕を専門的にフォローできるように、指導してきました。これから二人とも独り立ちできるよう育成していかなければなりません。



 私は、鉄道会社を定年退職後に1年間営繕関係(東京都教育委員会が設立した全国で初めての団体)で業務を行い、その後、在コートジボワール日本大使館に採用されました。鉄道関係の主な業務は、運輸関係に携わり、「気動車」や「電車」の整備から始まり、その後「車掌」、「運転士(横須賀線~総武本線)」、「指令」の経験を経て、運転設備を担当した。それは運転に関わりのある車両基地や信号、機械及び電気設備、そして建築設備等又は新規設備にも担当しました。また社員管理を担いました。その他の業務で駅ビルのデベロッパーとして「設備」と「営業」の双方を経験しました。「設備」は、電気、機械、消防、建築、水道設備と店舗入退店の工事等の監督を実施。また、「営業」は、様々な業種のテナントや生鮮三品(野菜及び果物、肉、魚)のそれぞれの店長とコミュニケーションを図ることが重要で、運輸では得られない議論ができ大変勉強になりました。

 その前にはコートジボワールの隣のリベリアという国に、青年海外協力隊(職種は自家発電機)として参加していたことがありました。今から36年前で26歳の時でした。その当時は、在リベリア共和国日本国大使館も健在。いつものように大使館を訪れると、館員の皆さんが、私たち隊員を出迎えていただき、とても親切にしていただいたことを今でも忘れずに覚えています。

 さて、業務ですが着任した1年目は、大規模修繕工事を2件。一つ目は、公邸内の照明をLEDへ変更、さらに明るくするように照明の位置を変えて工夫を凝らすなどが必要でした。その後、2件目としては、公邸のすべての外壁タイルを剥がしモルタルによる模様替えをおこないました。
2年目は、駐車場シャッターの修繕や1階及び2階カーペット交換後に、公邸の外周壁の修繕や塗装等にも対応しました。また、集中豪雨で不調をきたした発電機等の機器の修理、強風で倒れた木の対応など、コートジボワールならでは事案にも対処しなければならないこともありました。今年は、コロナも落ち着いてきたので、天皇誕生日レセプションも開催されました。来賓を万全の体制で迎えるべく、公邸の芝生を刈り揃えさせ、ヤシの実を落とさせるなどの準備も行いました。皆さんと一緒に作業を進めることでことができました。大変有難うございました。

 日常生活は、毎日、自炊でおこない昼食だけは、現地食を食べていました。また、1年以上コロナで窮屈な生活を強いられてきた中で、最後に館員との親睦を深められたのは良い思い出です。皆様方のおかげで毎日の業務に邁進することができ、日々の生活を無事に送ることができました。本当に有難うございました。

 

井上 俊彦